♯タダミィ ラプソディ ここから景色奥の右側が黒谷川。 2011年7月の大水害からの復旧工事が続いています。 以前の黒谷川は素晴らしい渓流で、岩魚や山女魚の宝庫でした・・・。
私の公開するこのWEB PAGE上で、黒谷川が実名で毎度登場するのは、正に魚影が濃いから。 その他に実名なのは、「鬼怒川」とか「田子倉湖」などの”君の実力で釣れるならどうぞ?”的な 思考によるものです。 ・・・それだけに、大水害が憎い・・・。 ・・・その理由も後述します。
移動を始めると、合流部付近の黒谷川の傍に綺麗な野草が咲いているのを発見。 災害の後でも、自然の営みは続くんですな・・・。 正直に言うと、水害後に幾度も只見の地を訪れていますが、黒谷地区の被害が特に甚大との ことなので、直視し、向き合うのが怖くて、今まで立ち入らずに今回を迎えました・・・。
河川敷は、集落・人家のある(河川と並ぶ)区間、全てで同時に工事が進められています。 下流から山間部直前の、人家全てが無くなる源流域直前まで護岸工事を実施中。 以前にあった、地形・川の変化豊かな”渓魚の楽園”が失われています。 豊かな魚影の黒谷川の渓流釣りの復活する日は・・・、果たして何年後でしょうか・・・。
さて、茨城県の私がこの地に拘る理由、カーナビなどが普及する前の話になりますが披露します。 フライフィッシャーとして”あまり釣れない時代”に、本屋で買った全国道路地図と己の勘を頼りに 渓流を巡りながら黒谷川まで辿り着いた若かりし日の自分がいました。 そこで見たものは、渓流傍に葦が茂り、流芯では尺山女魚たちがライズしていた良渓の記憶。 釣り雑誌などには無い、自分だけのパラダイス・・・。 ・・・それだけに、大水害が憎く思います。
(写真↑) 黒谷川では水害で崩落した橋梁が、未だに無残な姿を留めています。 農地の喪失、道路の喪失、堤防の喪失、山や谷の土砂崩れ、・・・水害の被害は甚大ですね。 結局、黒谷林道と呼ばれる”源流”に至る道路までは見学に行けませんでした。 もちろん工事の邪魔をしないためと、通行止かな?と予想が出来たためです。 あとは先述の、”直視し、向き合うのが怖くて...” これが源流部でも同じく頭に浮かびました。 よって、ここ迄で黒谷地区から撤収です。もちろん只見観光もお仕舞い。 帰りは、幾分遠回りして別の観光地へと車を走らせます。
さて、帰路。 別地での観光を遂げてから、福島〜栃木の県境へと移動中のことです。 1キロ前後のトンネル出口付近で、数台前方の乗用車が対向車と正面衝突・・・。
突如に起こった事故は、その後に救急・レスキュー・警察・JAFなどの総出での対応となりました。 もちろん道路は全線通行止め。 私も寝不足で稀にフラつくことが有り得ますので、肝が冷えました。 結局、今回は25時間0泊ドライブ。 走行距離は全537km。 しかも全て一般道だったので・・・。 12〜13時間は運転していた計算です! 睡眠は前夜が不眠で途中仮眠の僅か4時間。 思えば、毎年5〜6月は大きな自動車事故を目撃しています。 皆様もお気をつけて・・・。
やがて茨城の自宅へ無事に着くと、時計は既に夜10時。 前夜の出発から25時間が経過。 楽しかった1日はもうすぐ終わり、ゆっくりと風呂へ浸かります。 すると、今回に起こった強烈な”奇跡=事件”が思い返されました。 ”遥かなる只見、私という現象は確かにあの場所に居た・・・。 強烈な銀鱗と、太陽と水面・・・。” 思いを廻らせると、この日の只見では5月末なのにセミの鳴き声が響いていたことに気づきました。 もう夏が訪れたことを、遠い残雪の只見から先に実感することになるとは、感慨深いですな・・・。 (2013年5月末記、完) |