フィッシュ レプリカ (fish replica) 皆様は、釣り場で経験した大切な記憶と思い出をどの様に心に留めておくのでしょうか? もしも数年に1度とか、稀に激しい電気信号にて焼き付けられるのなら問題はありません。 経験を写真に収めて多幸感が持続するのならそれも良いでしょう。 しかし、人によっては激しい電気信号に次々に上書きされてしまい、最も大切な記憶が 心の領域から零れ落ちてしまうことがあります。
そう、私の場合も特にそれが顕著になってしまいました・・・ 近年経験しただけでも数十匹にも及ぶ尺上山女魚や尺上岩魚の数々。 もちろん”その全て”が大切な思い出です。 しかし、自室に沢山あるメモリアル・ルアーの幾つかを眺めていると・・・ ”これは何を釣ったルアーだっけ・・・?” ・・・虚しさを感じる瞬間が到来します。
そこで2011年末より始めたのが ”フィッシュ・レプリカ” の自室内への展示です。 剥製ではありません。 ”魚の複製”です。 終わりの無い”釣り道楽”の、自分だけの”トロフィー”として眺めていると感慨深いです。
2011年7月は42cmの鬼怒川 本流 山女魚を無事にキャッチ。 思わず同寸の”フィッシュ・レプリカ”に、OFT社のワイドフレーム・ハニカムパターンネットの 現行モデルを挟んでみました。笑 まぁ、ランディングネット本体にネジ穴を開けるのは気が引けましたが・・・ それでもネットが在った方が、魚体が立派に映えますからね。 精巧な造りで、その獰猛さが滲み伝わってきます。
そして写真(↑)は鬼怒川水系 湯西川にて2011年5月に釣り上げた39cmの岩魚。 同年は別に40cm超の岩魚をキャッチしていましたが、大切な記憶を思い出に留めたいのは、 やはり2011年に新ダム湖に沈み、既に失われた渓谷の記憶の結晶でもあるこの魚体。 そこはもう二度と辿り着けない領域でもあります。
次々に尺上魚を釣り上げる鮮烈な記憶の上書きにより、次々と大切な記憶が心の領域から 零れ落ちてしまうことの虚しさと恐ろしさ・・・ それは耐え難いものです。 思い出にすがる気はありませんが、まさかこの様な境地に至るとは想像できませんでした。 と、云うわけで”若者”よ、歳と釣果を重ねるのは想いも至らぬことの連続ですよ。 |