筆者:アングラー 鈴木 幹○







第2話 激流の時



それは梅雨前だが雨の降る大谷川・鬼怒川への釣行時の

出来事であった。



「幹○、このまま鬼怒川本流の中州に渡るぞ!」



いつもの様に菅○氏が言ってきた、が...



「いや〜。午前2時出発だったので、車で眠ってます。」



帰りの運転を考えると、私は体調を万全にしようと考えたの

であった。

そしてその時、鬼怒川の流れを見ると少し茶色に濁り、枝葉

が流れている。一抹の不安がよぎった。



「菅○さん、増水中です。私のライフジャケット着て下さい。」



そう薦めたが、菅○氏本人は「大丈夫だよ。」と断ってきた。


その後、菅○氏が渡渉するのを確認してから、車の中で毛布

にくるまった。しかしこの渡渉時点で既にギリギリだったのだ。


眠気が襲い、1時間ほど仮眠をしていると、ふと、菅○氏の事

が気になって目が覚めた。


そして鬼怒川を見ると更に増水し、菅○氏が居ない!



「まさか...遭難したのか!?」



...眼を凝らすが雨で視界が悪く、見つけられない。


やがて上流で本人の無事を確認したのだが、後に聞いてみる

と戻りの渡渉が限界ギリギリ、足が浮くほどだったとの事。


それ以来、仲間内には本流釣行時のライフジャケット着用を

徹底する事になった。









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