筆者:アングラー 鈴木 幹○
第4話 自然の中で 解禁の4月1日に釣り竿を持って登山をした。 場所は栃木県北部の山。頂上は標高1900m位だが流れる渓 は標高1000m程度だ。 山は残雪が見えるが、麓(ふもと)は春うららな季節である。 早朝5時半より登り始める。山の尾根沿いを歩き、川原までは 約1時間30分の距離なので、釣り場までは+30分だ。 しかしこの日は、初春の山の凄さを味わう事となる。 まずは、風。 尾根の裏側を叩き付ける風が、ジェット機の様な大きな音を 響かせ、回り込んだ風は突風となって襲ってくる。 次は、雪と気温。 気温は軽く氷点下で、雪は厚く、渓は水温1.8度。 途中、同行の菅○氏と語る。 「春、天気が良くて突風の吹いてる時は、 どこかの山で死人が出るんですよ。」 結局、釣果は無かったが"ハイキング"レベルの登山を完遂 する。 完遂とは、"無事に下山"する事だ。 (筆者は山で、過去に緊急手術をする怪我をした事がある。) その後平地でも、4月1日(土)〜4月9日(日)にかけて春の 突風があった。自宅では洗濯物が飛ばされるだけの話だが... この時、山に入ってた方達にはそうはいかない。 最初の週末で5人の方が遭難死され、内2人は栃木県日光 男体山での出来事である。死因は激しい風雪による凍死だ。 次の週末では6人の方が遭難死し、5人が行方不明になって いる。内、1人は会津・駒ヶ岳で行方不明との事。 釣人の活動エリアと登山家の活動エリアは重なる事が多い。 中には当然"山を登って源流で釣る"強者もいるが、危険と隣 合わせである。 今回の遭難は"山スキー"の方々であるが、行方不明者が 無事であると願いたい。 |