筆者:アングラー 鈴木 幹○
第7話 極小虫の恐怖 ツツガムシ(幼虫の体長:0.20mm) ツツガムシは東北の最上川水系などの藪の中に棲息する。 大きさは極小のダニほどで、吸血されてもまず、気付くことは無い。 草むら等に待ち構えていて、やがて人体に取り付くと肌上を徘徊し、 湿っぽい箇所を好んで吸血する。 この時、ツツガムシ体内の病原体がヒトに感染し、ツツガムシ病を 発症するのだ。 症状は発熱があり、胸や腹に赤い発疹が出てなかなか治らない。 適切な治療が行われないと死に至ることがある。 ツツガムシが吸血するのは1箇所のみで、後日この患部が大きく 腫れる。 ツツガムシは病原体を持たないのが殆どであるが、見分けるのが 不可能である以上、細心の注意が必要だ。 もしも症状が現れたら即、病院に行くこと。 血液の中のツツガムシ病に対する抗体を調べる検査にて診断可能。 エキノコックス (卵の直径:0.03mm) 北海道にはキタキツネに寄生する寄生虫エキノコックスが棲息する。 通常の寄生サイクルは下記の通りだ。 1.糞の中(卵) → 2.野ネズミ(幼虫) → 3.キタキツネ(成虫) これが、青森の犬に感染例があるのだから本州上陸は時間の問題 なのだろう。 ヒトに寄生するには虫卵が口から入り、主に肝臓に病巣をつくる。 そして潜伏期間(5年〜25年)を経てエキノコックス症が発症する。 全身で病巣をつくり、運が悪いと脳症を患い死に至る。 恐ろしいのは、症状が深刻になるまで自覚が無いとのことである。 野ネズミとキタキツネの生活域である北海道では特に気を付けたい。 少水量の沢の水や、山野で汚れた手先にエキノコックスの卵が付着 している可能性があるからだ。 |